もう一度、教室へ
教育訓練給付の種類、受ける前の手続き、教育訓練休暇給付金の仕組み。
教育訓練給付って、何?
国が指定した講座を終えると、受講にかかった費用の一部が雇用保険から戻ってくる。戻る割合は講座の種類で違う。
- 厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了すると、受講費用の一部が支給される。種類は一般・特定一般・専門実践の3つ。
- 割合と上限は種類ごとに違う。
- 令和6年10月1日以降に受講を開始した場合に限って付く上乗せがある(専門実践の80%、特定一般の50%)。
先に結論
教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した講座を受けて修了した人に、受講にかかった費用の一部を雇用保険から支給する制度です。戻る割合と上限は、講座の種類によって違います。
この章は、制度の仕組みを説明するものです。個別の講座が対象かどうか、あなたが受け取れる金額の試算は扱いません。
3種類の講座
講座は、一般教育訓練・特定一般教育訓練・専門実践教育訓練の3種類に分かれます。基本の割合と上限は次のとおりです。
| 一般教育訓練 | 教育訓練経費の20%、上限10万円。修了後に支給されます。 |
|---|---|
| 特定一般教育訓練 | 経費の40%、上限20万円。資格取得等をして修了後1年以内に被保険者として雇用された場合は50%、上限25万円です。 |
| 専門実践教育訓練 | 経費の50%、年間上限40万円。受講中、6か月ごとに支給されます。 |
専門実践は、修了後1年以内に資格取得等をして雇用された場合(在職中に資格取得等をした場合も)、70%・年間上限56万円になります。さらに修了後の賃金が受講開始前より5%以上上昇した場合は80%・年間上限64万円です。
専門実践は、最大3年間で上限192万円とされています。法令上最短4年の課程は、4年目相当分が加わる場合があります。
「最大」の数字である
ここに書いた割合と上限は、最大の値です。条件を満たした場合に当てはまるもので、どの人にも同じ額が戻るわけではありません。
法改正で変わりうるため、この章の内容は2026年10月14日時点の確認です。
教育訓練支援給付金は別の制度
失業状態で初めて専門実践(通信制・夜間制を除く)を受ける人などには、教育訓練支援給付金が別に支給されます。受講開始時に45歳未満などの要件があります。
金額は基本手当日額の60%相当です(令和7年4月1日より前に受講を開始した場合は80%)。この給付は令和8年度末までの暫定措置です。
戻る割合と上限は種類ごとに違い、専門実践の上乗せは令和6年10月1日以降の受講開始に限られます。
確かめること
- 受講したい講座が、3種類のどれに当たるか
- その講座が、厚生労働大臣の指定を受けているか
- 受講開始日が、2024年10月1日の前か後か(上乗せの有無が変わります)
- 受講費用のうち「教育訓練経費」に入る範囲を、講座の案内で確かめる
- 最新の上限額を、ハローワークの案内で確かめる
受けられるのは、どんな人?
条件の基準は、雇用保険にどれだけ入っていたか。調べ方と、受講前に行う手続きの順番を並べる。
- 受講開始日時点の雇用保険の加入期間が基準。専門実践は原則3年以上、初めて受ける人は2年以上。
- 対象講座は「教育訓練講座検索システム」で調べられる。
- 特定一般・専門実践は、受講前のキャリアコンサルティングとジョブ・カード、受講開始日の2週間前までの受給資格確認が要る。
先に結論
受けられるかどうかの基準は、受講開始日の時点で雇用保険にどれだけ加入していたかです。種類によって、必要な加入期間が違います。
「あなたは受けられる」と断定することは、この章ではできません。ここに書くのは、条件の骨格と手続きの順番です。
加入期間の基準
| 専門実践教育訓練 | 在職中の被保険者で、受講開始日時点の加入期間が3年以上。または資格喪失後1年以内で、加入期間が3年以上。初めて受ける人は2年以上です。 |
|---|---|
| 特定一般・一般教育訓練 | 加入期間の要件は専門実践と同様です。ただし初めて受ける人は1年以上です。 |
受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けている場合は、支給されません。前に受け取ったことがあるかも、確かめておきましょう。
受講前に行う手続き
ハローワークの案内では、特定一般教育訓練と専門実践教育訓練について、受講前の手続きが示されています。訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認を行います。
受講開始日の2週間前までに、受給資格確認を済ませる必要があります。
受講したい講座は、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で調べられます。講座が検索システムに載っているかも、確かめる項目です。
申請と照会の期限
特定一般・一般教育訓練の支給申請は、修了日の翌日から1か月以内に行います。
専門実践教育訓練は、受講中6か月ごとに支給申請します。修了後の追加分は、資格取得または就職のいずれか遅い日から、1か月以内(70%の場合)・1年以内(80%の場合)に申請します。
支給要件の照会は、「教育訓練給付金支給要件照会票」を提出して行います。提出方法は、来所・代理人・郵送・電子申請です。電話での照会は受け付けていません。
- 受講開始(予定)日時点の、雇用保険の加入期間
- 3年以内に、教育訓練給付金を受けていないか
- 希望する講座が、教育訓練講座検索システムに載っているか
- 特定一般・専門実践の場合、受講開始日の2週間前までに受給資格確認が間に合うか
- 修了後の申請期限(修了日の翌日から1か月など)
この章は仕組みの説明で、法律の助言ではありません。手続きの窓口は、ハローワークです。最新の案内は、ハローワークの窓口か、厚生労働省の公式ページで確かめてください。
教育訓練休暇給付金は、どんな制度?
令和7年10月にできた、休暇を取って学ぶ間の給付。ただし会社の制度が前提になる。
- 令和7年10月に創設された雇用保険の給付。
- 就業規則等に基づく、連続30日以上の無給の教育訓練休暇が対象。
- 休暇の取得には事業主との合意が要る。
先に結論
教育訓練休暇給付金は、令和7年10月に創設された雇用保険の給付です。対象になるのは、就業規則などに基づいて取る、連続30日以上の無給の教育訓練休暇です。
無給の休暇を取る間の給付として、基本手当に相当する、賃金の一定割合が支給される仕組みです。
会社の制度が前提になる
対象になるのは、業務命令によらず、就業規則などに基づいて取る休暇です。勤め先に教育訓練休暇の制度がなければ、この給付の対象となる休暇は取れません。
まず、勤め先の就業規則に、教育訓練のための休暇の定めがあるかを確かめてください。制度の中身は会社ごとに違うため、同じ制度を前提にはできません。
対象になる人
- 雇用保険の一般被保険者であること
- 休暇の開始前2年間に、被保険者期間が12か月以上あること
- 雇用保険に5年以上加入していること
これらは、公式の記載にある要件の概要です。加入期間の数え方など、細かな扱いは窓口で確かめてください。
取るまでの流れ
休暇の取得には、事業主との合意が必要です。会社と話し合い、休暇の日程について合意を得ることが出発点になります。
手続きは、事業所または住居所を管轄するハローワークで行います。どの窓口に行けばよいかは、事業所の所在地と住まいの地域で決まります。
教育訓練休暇は、会社との合意と、ハローワークでの手続きが両方そろって初めて進みます。
- 勤め先に、教育訓練休暇の制度があるか(就業規則で確かめる)
- 雇用保険の加入期間が5年以上か。休暇の開始前2年間に被保険者期間が12か月以上あるか
- 取りたい休暇が、連続30日以上の無給の休暇か
- 事業主との合意を得る手順(社内の申請先と期限)
- 手続きをするハローワーク(事業所または住居所を管轄するところ)
窓口で確かめる
制度の適用は、会社の就業規則と、雇用保険の加入の状況で決まります。確かめる先は、社内の人事や総務の担当者、そして事業所または住居所を管轄するハローワークです。
この章は仕組みの説明で、法律の助言ではありません。制度の詳細は、厚生労働省の公式ページと、ハローワークの案内を最後にご確認ください。
体験談や口コミではなく、法令などの公開情報と一般的な進め方をもとに書いています。サービスの内容は変わることがあるので、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。