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年金の本

二階建ての、しくみ

国民年金と厚生年金の2階建て、払えないときの免除と猶予、記録の確かめ方。

第1章

年金は、いま自分はどの制度に入っている?

日本の公的年金は2階建てです。働き方が変わると、入る制度の種類(第1号から第3号)も変わります。

この章の要点
  • 1階が国民年金(基礎年金)、2階が厚生年金保険。会社員・公務員は両方に加入する。
  • 国民年金の被保険者は3区分。第1号(自営業・学生・無職など)は自分で納付、第2号(会社員・公務員)は給与から天引き、第3号(第2号に扶養される配偶者)は本人の負担なし。
  • 会社を辞めて次の会社に入らないときは第1号の手続きを退職日の翌日から14日以内に、配偶者の扶養に入るときは第3号の手続きを配偶者の勤務先経由で行う。

先に結論

日本の公的年金は、2階建てです。1階は国民年金(基礎年金)で、20歳以上60歳未満の人が加入します。2階は厚生年金保険で、会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入します。

国民年金の加入者は、第1号・第2号・第3号の3つに分かれます。どの区分に入るかで、保険料の納め方と手続きが変わります。

退職して次の会社に入らないときは、第1号の手続きを退職日の翌日から14日以内にします。

3つの区分

第1号自営業者・農業者・学生・無職の人など。住所地の市区町村に届け出て、保険料は本人が納めます(免除や納付猶予の制度があります)。
第2号会社員・公務員など。国民年金と厚生年金保険に加入します。勤務先が手続きをし、保険料は給与から天引きされます。
第3号第2号に扶養される、国内在住の配偶者。配偶者の勤務先を経由して届け出ます。本人の負担はありません。

厚生年金保険に入るのは、適用事業所に常時使用される70歳未満の人です。国籍・性別・年金の受給の有無は関係ありません。

退職したときの手続き

退職して次の会社に入らないときや、自営業などになるときは、第1号の手続きをします。届出先は住所地の市区町村の窓口です。提出期限は、退職日の翌日から14日以内です。提出できるのは本人か世帯主です。

資格を取得する日は、月末に退職したなら翌月1日、月の途中に退職したなら翌日です。基礎年金番号を確かめられる書類か、マイナンバーカードなどが必要です。電子申請もあります。

配偶者の健康保険の被扶養者になるときは、第3号の手続きになります。

保険料(令和8年度)

令和8年度の国民年金保険料は、月額17,920円です。納付期限は、納付の対象月の翌月末日です。第1号の人は、納付する義務があります。第3号の人は、自分で納める必要はありません。

注意金額は令和8年度のものです。年度が変わると変わります。将来の金額や、受け取る年金の額は、ここでは扱っていません。第3号の収入の目安も、ここでは書いていません。

読むときに確かめること

  • いまの自分は第何号か。会社員なら、通常は第2号
  • 退職日と、次の仕事や配偶者の扶養の予定
  • 退職日の翌日から14日以内に、市区町村の窓口に行けるか
  • 手元に基礎年金番号やマイナンバーカードがあるか

ここは、法律の助言ではなく、年金制度の仕組みの説明です。個別の加入や手続きは、お住まいの市区町村の窓口、または年金事務所で確かめてください。

第2章

保険料を払えないとき、どうなる?

払えないまま放っておく(未納)のと、申請して免除や猶予を受けるのとでは、年金の扱いが違います。免除や猶予は、申請して承認されてはじめて始まります。

この章の要点
  • 第1号被保険者には、所得などの基準に応じた保険料の免除(全額・4分の3・半額・4分の1)と、20歳以上50歳未満が対象の納付猶予がある。申請して承認される必要がある。
  • 失業・倒産などで払えないときは、前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられる特例がある(確認できる書類が必要)。
  • 免除・猶予の期間は、承認を受けた月の前10年以内であれば追納(あとから納付)できる。未納のままだと、受給資格期間に算入されず、障害や遺族の年金を受けられない場合がある。

先に結論

免除や納付猶予は、自動では始まりません。申請して承認されてはじめて、その期間の扱いが変わります。申請は、保険料の納付期限から2年を経過していない期間について、原則として年度ごとに行います。

申請しないまま払わない状態は、未納です。未納の期間は、年金の受給資格期間に算入されず、年金額にも反映されません。

払えないときは、申請して承認されているかどうかで、年金の扱いが変わります。

免除と納付猶予の種類

第1号の人には、前年の所得などの基準に応じて、保険料の免除が4段階あります。全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除です。20歳以上50歳未満の人には、納付猶予もあります。

令和8年度の所得の基準は、次のとおりです(前年の所得)。全額免除と納付猶予は、(扶養親族などの数+1)×35万円+32万円の範囲内です。4分の3免除は88万円、半額免除は128万円、4分の1免除は168万円に、扶養親族等控除額と社会保険料控除額などを加えた範囲です。納付猶予は、本人と配偶者の前年の所得で判断します。

ただし、どの基準に当てはまるかは、ご自身で計算せず、窓口で確かめてください。

失業などの特例

失業・倒産・事業廃止などの事実が確認できれば、前年の所得に関係なく免除や納付猶予を受けられる特例があります。書類の例は、雇用保険被保険者離職票や、雇用保険受給資格者証のコピーなどです。特例は毎年申請します。

免除や猶予の期間は、あとから納められる

免除や納付猶予を承認された期間は、承認された月の前10年以内であれば、追納できます。古い期間から順に納めます。老齢基礎年金を受け取っている人は、追納できません。

承認を受けた期間の翌年度から数えて3年度目以降に追納すると、加算額が付きます。令和6年度と令和7年度の分には、加算がありません。

納めた期間受給資格期間に算入され、年金額にも全額反映されます。
全額免除の期間受給資格期間に算入され、年金額には2分の1が反映されます。
納付猶予の期間受給資格期間に算入されますが、年金額には反映されません。
未納の期間受給資格期間に算入されず、年金額にも反映されません。
注意基準と金額は令和8年度のものです。年度が変わると変わることがあります。免除の制度には、学生納付特例や産前産後の免除など、ほかにもあります。それぞれの条件は、この本では確かめていません。

読むときに確かめること

  • 免除や猶予は、申請してはじめて始まることを知っているか
  • 退職や失業の事実を示す書類(離職票など)が手元にあるか
  • 前年の所得が基準の範囲に入りそうか。式は自分で当てはめず、窓口で確かめる
  • 申請先は、住所地の市区町村の窓口か年金事務所か。機構のページの案内で確かめる

ここは、法律の助言ではなく、制度の仕組みの説明です。払えないときの相談は、お住まいの市区町村の窓口または年金事務所でできます。

第3章

自分の年金の記録は、どこで確かめる?

自分の年金記録は、毎年届く「ねんきん定期便」と、24時間見られる「ねんきんネット」で確かめられます。

この章の要点
  • ねんきん定期便は、毎年、誕生月に日本年金機構から届く。年齢によりハガキと封書で、載る内容が違う。
  • ねんきんネットは、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも年金記録を確認できる。加入履歴・月ごとの納付状況・標準報酬月額などが見られる。
  • 記録に心当たりと違いがあれば、年金事務所または街角の年金相談センターに相談すると、記録の漏れや誤りを調べてもらえる。

先に結論

年金の記録は、2つの方法で確かめられます。1つは、毎年、誕生月に届く「ねんきん定期便」です。もう1つは、パソコンやスマートフォンから見られる「ねんきんネット」です。

記録に心当たりと違うところがあるときは、年金事務所か街角の年金相談センターに相談できます。記録の漏れや誤りを、調べてもらえます。

年金の記録は、届いた定期便か、ねんきんネットで自分の目で確かめられます。

ねんきん定期便

ねんきん定期便は、毎年、誕生月に日本年金機構から届きます。年齢によって、ハガキか封書かが違います。

  • 50歳未満(35歳を除く)と、50歳以上(59歳を除く)は、ハガキです。これまでの保険料の納付額、直近13か月の月ごとの状況、加入期間などが載ります。
  • 35歳・45歳・59歳は封書です。全加入期間の加入履歴や、月ごとの状況も載ります。

電子版のねんきん定期便は、ねんきんネットから見られます。共済組合の期間の記録は、定期便に載っている共済組合に問い合わせます。

ねんきんネットで見られる内容

ねんきんネットでは、次のような記録を確認できます。

  • 国民年金・厚生年金保険などの加入履歴の一覧と、月ごとの加入の状況
  • 月ごとの国民年金保険料の納付状況
  • 標準報酬月額と標準賞与額
  • 1年間と、これまでの保険料の納付額

未納の期間や、標準報酬月額の大きな変動など、特に確かめてほしい月にはアイコンが付きます。登録は、マイナポータルと連携する方法と、ユーザIDを取得する方法の2通りです。

注意ここは、記録を確かめる方法の説明です。年金の見込額は、ここでは扱いません。定期便の形式は、年度や年齢によって変わることがあります。電話番号や受付時間は、最新の公式ページで確かめてください。

読むときに確かめること

  • 加入履歴に、働いた会社と期間の抜けがないか
  • 退職後の期間が国民年金になっていて、保険料の納付状況が合っているか
  • 厚生年金の期間の標準報酬月額が、給与の実感と大きくずれていないか
  • 転職のたびに、記録が途切れず続いているか

ここは、法律の助言ではなく、記録の確かめ方の説明です。記録に違いがあるときは、年金事務所または街角の年金相談センターに相談してください。

体験談や口コミではなく、法令などの公開情報と一般的な進め方をもとに書いています。サービスの内容は変わることがあるので、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。

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