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無料には、わけがある

転職のサービスが、どういう決まりと、どういうお金の流れで動いているか。

第1章

転職エージェントは、なぜ無料なのか

求職者が料金を払わずに使える理由は、法律の決まりと、お金の流れにあります。

確認日 2026-10-04出典 職業安定法(e-Gov 法令検索)
この章の要点
  • 職業紹介の事業者は、求職者から手数料を原則として受け取れない(職業安定法 第32条の3 第2項)
  • 紹介の手数料は、主に求人を出す企業の側から受け取る
  • 例外は、厚生労働省令で定める一部の場合に限られる

先に結論

職業紹介を事業として行う会社は、法律で、求職者から手数料を受け取ることが原則として禁じられています(職業安定法 第32条の3 第2項)。そのため、紹介の手数料は、主に求人を出す企業の側から受け取る仕組みになっています。

お金の流れ

相談や求人の紹介を受ける側は、料金を払いません。エージェントは、一般に、紹介した人の採用が決まったときに、企業から手数料を受け取ります。

あなた求職者 エージェント職業紹介の事業者 企業求人を出す側 相談・求人の紹介料金なし 人の紹介 手数料一般に、採用が決まったとき

例外もある

同じ条文には、求職者の利益のために必要と認められる場合として、厚生労働省令で定めるときに限り、求職者から手数料を取れるという例外が書かれています。対象は一部の職業などに限られます。気になるときは、申込みの前に、そのサービスの利用規約で料金の有無を確かめてください。

使う側が知っておきたいこと

  • エージェントは、企業からの手数料で成り立っています。紹介される求人や勧め方は、その仕組みの上にあります。
  • 複数のサービスに同じ質問をすると、扱う求人や支援の違いが見えます。
  • 希望する条件は、先に言葉にしておきます。決めるのは、いつも自分です。

確かめ方

有料で職業紹介を行うには、厚生労働大臣の許可が要ります。サイトに許可番号を載せているサービスもあるので、運営会社の情報とあわせて確かめられます。

第2章

求人サイト・スカウト・エージェントの違い

似ているようで、誰が動くのか、どこまで関わるのかが違います。

確認日 2026-10-04出典 職業安定法(e-Gov 法令検索)
この章の要点
  • 求人サイトは自分で探す、スカウトは声がかかる、エージェントは担当者が間に入る
  • エージェントは法律上の「職業紹介」で、有料で行うには厚生労働大臣の許可が要る
  • どれか1つに決めず、組み合わせて使う人もいる

3つの仕組み

求人サイト自分が探すスカウト相手から声がかかるエージェント担当者が間に入る あなた求人 あなた企業 あなた担当企業 応募も自分で経歴を登録して待つ紹介・調整を手伝う
  • 求人サイト: 自分で求人を探して、自分で応募します。
  • スカウト: 登録した経歴を見た企業やエージェントから、声がかかります。
  • エージェント: 担当者が相談に乗り、求人を紹介し、応募や日程の調整を手伝います。

法律の上での違い

職業安定法は、求人と求職の申込みを受けて、雇用関係の成立をあっせんすることを「職業紹介」と定めています(第4条第1項)。エージェントはこれに当たり、有料で行うには厚生労働大臣の許可が要ります。

求人の情報を求職者に届けることなどは「募集情報等提供」として、別に定められています(第4条第6項)。求人サイトの多くはこちらです。スカウトのサービスは、運営の形によってどちらにもなりえます。運営会社の情報で確かめてください。

使い分け

  • 自分のペースで探したいときは、求人サイトが向いています。
  • 市場で自分がどう見られるかを知りたいときは、スカウトが手がかりになります。
  • 進め方から相談したいときや、時間が限られるときは、エージェントが向いています。

どれか1つに決める必要はなく、組み合わせて使う人もいます。

第3章

求人票の「固定残業代」は、どこを読めばいい?

固定残業代は、求人票に「基本給」「何時間分でいくら」「超えた分は別に払う」の3つが分けて書かれているかが、読みどころです。

この章の要点
  • 国の指針は、固定残業代を採る求人に、基本給の額、固定残業の時間数と金額、超えた分は追加で払うこと、の3つを明示するよう求めています。
  • 固定残業代は、名称にかかわらず、一定時間分の割増賃金を定額で払うものを指します。深夜・休日だけの場合も同じ記載が必要です。
  • 国の記載例は「基本給」「○時間分の時間外手当として△△円」「超えた分は追加で支給」の3行の形です。

先に結論

固定残業代が含まれる求人では、国の指針が、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業代の計算方法(何時間分で何円か)、超えた時間の割増賃金を追加で払うこと、の3つを明示するよう定めています。求人票でこの3つが分けて読めるかが、最初に見る点です。

国の指針は、固定残業代を採る求人に、基本給の額、固定残業の時間数と金額、超えた分は別に払うこと、の3つを明示するよう求めています。

固定残業代とは何か

固定残業代は、名称にかかわらず、一定時間分の時間外・休日・深夜労働に対して定額で支払われる割増賃金を指します。「みなし残業代」など呼び方はさまざまですが、見る点は同じです。深夜・休日だけの固定残業代でも、同じ記載が必要とされています。

求人票の3行の形

厚生労働省が示す記載例は、「基本給(××円)」、「□□手当(時間外労働の有無にかかわらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)」、「○時間を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給」の3行です。求人票がこの形に近く書かれているかを比べると、読みやすくなります。

手当の名前では判断しない

固定残業代は、名称を問わず、一定時間分の割増賃金を定額で払うものを指します。手当の名前だけで判断せず、本文の時間数と金額を見てください。

手当に別の手当が混ざるとき

厚生労働省のリーフレット(2016年12月版)は、□□手当に固定残業代以外の手当を含む場合は、固定残業代の分を分けて記載することを案内しています。一つの欄に複数の意味が入っていると、どこまでが固定残業代かが読み取りにくくなります。

書かれていないときは

求人票で3つが分かれていない場合は、応募の前に求人元や紹介会社へ文書で確かめる方法があります。厚生労働省の募集・求人業務取扱要領(平成30年1月)は、最初に接触する時点までに明示すること、固定残業代の内容の明示は特に留意することとしています。口頭だけでなく、書面で答えをもらえるかを聞いてみてください。

  • 固定残業代を除いた基本給の額が、別の行で書かれているか
  • 固定残業代が「何時間分で何円」と、時間数と金額の両方で書かれているか
  • 固定残業時間を超えた分は追加で支払う、と書かれているか
  • 手当の欄に、固定残業代以外の手当が混ざっていないか(混ざる場合は分けて書かれているか)
  • 書かれていない点は、応募の前に求人元や紹介会社へ文書で確かめる
注意

ここで説明しているのは、募集の時に何を明示するかの決まりです。固定残業代が有効かどうか(割増賃金の支払いとして認められるか)は、判例や労働基準法の問題で、求人票の読み方とは別の話です。

指針は「明示すること」を定めています。明示しなかった場合の扱いは、この章では書いていません。この説明は法律の助言ではありません。個別の求人について迷うときは、ハローワークや求人元に確かめてください。

体験談や口コミではなく、法令などの公開情報と一般的な進め方をもとに書いています。サービスの内容は変わることがあるので、申込みの前に各社の公式ページで確かめてください。

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