幼児(年少〜年長)
園に行きたがらないなら
朝の「行きたくない」が続いたとき、誰に何を言えばいいのか。相談先と、過ごし方の選び直しを順番に並べ、お子さんのケアと、あなた自身が息をつける言葉も一緒に置きました。

幼児期の「行きたくない」は、珍しいことではありません。理由はお子さん自身にも言葉にできないことが多いようです。順番は、①園に知らせる ②園の中で相談する ③自治体の窓口に相談する ④過ごし方を選び直す。飛ばしても構いません。お子さんも、親も、不安でいっぱいのはずです。焦らずまいりましょう。
ひとつずつ、順番に
- 1
まず、園に知らせる
朝の「行きたくない」が続いたら
無理に押さなくて大丈夫です。朝の様子をそのまま伝えるところから。
担任朝の様子(泣く・体の不調・言葉)と、家で変わったこと(弟妹の誕生・引っ越し・生活の変化)を伝えてみてください。
園での様子も聞いてみましょう。家と園で見えているものが違うことがあります。家で熱・腹痛・眠れないが続くなら、小児科へ。
体の不調は先に診てもらいましょう。 - 2
園の中で相談する
つぎに
担任のほかにも、相談できる人がいます。
園長・主任登園時間を短くする、慣らしをやり直す、クラスや担当を変えるなど、園としてできることを相談してみてください。
園の看護師・嘱託医(いる園)体の面が気になるときの相談先です。
- 3
自治体の窓口に相談する
園だけでは進まないとき、発達が気になるとき
公的な窓口は無料です。名称は自治体で違うので、市区町村のサイトで「子育て相談」「発達相談」を探してみてください。
子育て支援センター・子ども家庭の相談窓口市区町村の窓口です。園のこと、家のこと、親の疲れも含めて相談できます。
名称は自治体で違います(子ども家庭センター・子育て世代包括支援センターなど)。保健センター(保健師)乳幼児健診を担当する部署です。発達や生活の相談を、健診の外でも受けてくれます。
健診で「様子を見ましょう」と言われたことがあれば、そこに戻ってみてください。児童発達支援(受給者証で通う)発達が気になるお子さんが通う、療育の場です。園と並行して通えます。
市区町村の障害福祉の窓口で受給者証の相談を。医師の意見書などが要ります。小児科・児童精神科体の症状が続くとき、発達の相談をしたいとき。かかりつけの先生から紹介してもらえることが多いようです。
お子さんと過ごす日に
園を休む日が続くと、何をさせればいいのかが気になります。でも、まず整えるのは「させること」ではなく、体と、時間と、場所のほうです。
朝と眠り
起きる時間と寝る時間だけは、ゆるく決めておきます。カーテンを開けて光を入れる。夜、眠れているかを、いちばん大事に見てください。
朝が崩れると、一日が崩れます。朝だけ整えば、あとは崩れていても大丈夫な日が多いようです。体を動かす時間
公園、散歩、買い物、雨の日は布団の山。短くて構いません。体が動いた日は、夜が来ます。
用事に混ぜるのがコツです。牛乳を買いに行く、ポストまで手紙を出しに行く。手を動かす時間
粘土、お絵かき、ブロック、水遊び、料理の手伝い。手を使っている時間は、気持ちが落ち着く時間です。出来ばえは評価しなくて大丈夫です。
親も横で自分の手作業をしてください。並んで、別々のことをする時間が、いちばん穏やかです。感覚の負担を減らす
音・光・におい・触られること。園は感覚の刺激が多い場所です。家に「静かな一角」をひとつ作る。服のタグや靴下の縫い目、髪を洗われること、大きな音。小さな不快が積み重なっていることがあります。
家で楽になる条件が見つかると、園に伝える材料になります。「音が苦手なようです」と一言あるだけで、園の対応が変わることがあります。園の話をしない時間
一日のなかに、「園」という言葉が出ない時間を作ってみてください。
話したくなったら、お子さんのほうから出てきます。小さな役割をひとつ
「これはあなたの仕事」を、ひとつだけ。テーブルを拭く、靴をそろえる、植物に水をやる。役割は、居場所になります。
できたかどうかを毎日確認しなくて大丈夫です。園以外の人とのつながり
親戚、近所の人、子育てひろば、親子で入れる習い事。園以外に「人」がいることを、なくさないでください。
親子で入れる教室は、親の気分転換にもなります。そして、あなたのこと
自分のことは後でいい、いまはこの子のことを——そう思っている方がほとんどだと思います。それでいいのです。幼児期は、お子さんが家にいる時間がそのまま親の時間になります。ここは、何かをしてくださいという節ではなく、少しだけ息をつける言葉を置いておく場所です。
自分のことは後でいい、と思っていること
それが自然だと思います。お子さんのことで頭がいっぱいなのは、それだけお子さんを見ている、ということです。ただ、考え続けている頭は、少し休むと、同じことが違って見えることがあります。
休むために何かをする必要はありません。「いま自分は休んでいないな」と気づくだけで、ひとつ進んでいます。誰かに話すこと
話す相手は、答えをくれる人でなくて構いません。聞いてくれる人がいるだけで、頭の中の言葉が少し整理されます。保健師、子育てひろばの職員、園の先生。親の話を聞くための人がいます。
子育てひろばは、親が話すための場所でもあります。朝のこと
毎朝、行く・行かないで向き合っていると、一日の力を朝で使い切ってしまいます。前の晩に「明日はこうしよう」と決めておく、という方法もあります。決めたことと違う朝になっても、それは失敗ではありません。
朝が少し軽くなるだけで、昼と夜が変わります。少し離れる時間
園を休んでいても、一時預かりや祖父母に少しの時間預けることは、お子さんを見ていないことにはなりません。少し離れて戻ってくると、同じ子が違って見えることがあります。
「園を休んでいるのに預けるなんて」と思わなくて大丈夫です。仕事のこと
職場にどこまで話すか、急な朝にどうするか。先に少しだけ考えておくと、その朝に慌てずにすみます。
言い方は「子どもの体調のことで、しばらく朝が読めなくて」で足ります。きょうだいのこと
目が向いていない、と感じているかもしれません。「あなたのことも見ているよ」と言葉にするだけで、伝わることがあります。
短い時間で構いません。疲れがとれないとき
眠れない、食べられないが続くときは、それはもう「がんばりが足りない」という話ではなく、体の話です。親のための相談先があります。保健センターの保健師、精神保健福祉センター(都道府県・政令市の、大人のこころの相談窓口)、かかりつけの先生。
「子どもの相談」の窓口で「親の私も疲れています」と言って大丈夫です。「いつまで」を決めないこと
いつまで続くのかは、誰にも分かりません。分からないままでいい、と決めておくと、少し楽になります。
焦らずまいりましょう。頼れる人たち
園には担任のほかにも、相談できる人がいます。自治体から園に来る人もいます。園の中の人と、専門の目でお子さんを見る人に分けました。
園と自治体の人
担任
毎日の窓口です。朝の様子の共有、園での様子を教えてくれます。
主任・園長
園としてできること(時間を短くする、担当を変える、慣らしのやり直し)を決める側です。
園の看護師・嘱託医
体の面を見てくれます(いる園といない園があります)。
巡回相談(自治体の心理士など)
自治体から園を回って、お子さんの様子を見て園に助言する人です。
保健センターの保健師
乳幼児健診の担当です。発達や生活の相談を、健診の外でも受けてくれます。
子育て支援センター・子ども家庭の窓口
市区町村の窓口です。園のこと、家のこと、親の疲れも。
専門の目で見る人
資格を持ち、それぞれの面からお子さんを見てくれる人たちです。入口は保健センターの発達相談と、かかりつけの先生です。
臨床心理士・公認心理師
心理の専門職です。発達検査(得意不得意を見る検査)と、親子の面接。
作業療法士(OT)
動き・感覚(触覚・揺れ・力加減)・手先・生活の動作(着替え・食事・トイレ)と、環境の側から見るリハビリの専門職です。園には常駐せず、児童発達支援や病院のリハビリ、自治体の巡回相談を通して関わります。
言語聴覚士(ST)
ことば・聞こえ・食べることの専門職です。
理学療法士(PT)
体の大きな動き・歩く・姿勢の専門職です。
小児科医・児童精神科医(発達外来)
診断と治療をする先生です。受給者証や支援の根拠になる意見書・診断書も書いてくれます。
児童発達支援の担当(児童発達支援管理責任者)
受給者証で通う場の責任者です。個別支援計画を作り、OT・ST・心理職がいる事業所もあります。
過ごし方は、ひとつではありません
園に戻ることだけが出口ではありません。時間を減らす、園を変える、家で過ごす。組み合わせても大丈夫です。
時間と日数を減らす
午前だけ、週に数日だけ。慣らしをやり直す形で、園と相談してみてください。
- 費用
- 園の保育料の扱いは園にご確認を
園を変える(転園)
規模・方針・人数が違う園に移ります。幼稚園・保育園・こども園で入り方が違います。
- 費用
- 入園料などは園によります
- 出席
- 空きと手続きは市区町村の窓口へ
家で過ごす
幼児期は義務教育ではありません。家で過ごしながら、地域の子育てひろばや一時預かりを使えます。
- 費用
- 子育てひろばは無料のところが多いようです(自治体)
居場所と、続けること
園とは別の居場所として、少人数の習い事が合うお子さんもいます。
焦らずまいりましょう。
出典: こども家庭庁